切なさに似て…
『結婚していたこと隠しててごめん。俺は彼女を愛している。だから…。
だから、もう終わりにしよう。許してくれとは言わない。
柚と会っていた時は、きちんと柚を愛していたことは嘘じゃない』


どうせ嘘をつくなら、もっとまともな嘘をついて欲しかった。

私に会いに来てたのは土日だけ。それ以外の平日は野木さんと過ごす。奥さんの元には帰ることなく。

仕事のある平日なんかより、ゆっくりしていられる土日が特別だと思っていた。

だけど、“特別”なのは、平日だった。それは、くたくたになって一日働いて、仕事の疲れを癒してくれる相手が待っているからじゃないの?


最期にそんな嘘、聞きたかったんじゃない。

嘘なら、墓場まで持って行ってくれないと。


──絶望しかないこの現実に、残ってしまった私は、…どうなるの?


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