切なさに似て…
やっぱり“幸せ”なんて、何処を探してもないんだ。

こんな形で痛感させられたって、残された私はどうするべきだった?

事実を知らなかった私は、無関係です、無実ですって顔でもすればいいの?

それとも、奥さんみたいに、泣き叫べば良かった?

喚き散らせば良かった?

相手が存在しないのに、泣いて縋れば良かった?


家を出て行こうとするお母さんに、泣いて縋ったみたいにアクションを起こせば良かった?


…全てが終わったのに?

そんなことしたって、切なさが増えていくだけなのに?


誰に、真実を聞けば教えてくれるの?

誰に、どうすればいいか問いただせば答えが出るの?

誰に、こんなことがあったって言えば、私の胸の内をわかってくれるの?


…ねぇ?なんで?私じゃないの?って、心の奥でずっと信浩に聞いてるのに、どこを漁ったって答えなんて見つからない。

信浩の部屋の鍵を受け取ることが怖かった。

また、無駄な期待を抱いてしまうかも知れない。

ずっと“友達”でいたいと、傍にいることを選んだ選択肢が、間違いだったって。


…後悔した。


16歳の誕生日にでも好きだって伝えて、あっけなく散っちゃえばよかったのに。

そうすれば、果たされるかどうかもわからない未来の約束なんて、バカみたいに待つことなんてなかったのに。


私は誰も好きにならない。

誰のものにもならない。

誰も愛さない。


鍵は受け取れなかった…。

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