切なさに似て…
あの時、もしこの鍵を受け取っていたら…。

私は信浩から離れられなくなっていた。

今だって…、離れられないのに。


私は今まで何やってたんだろうって、考えちゃうよ。

無理矢理、私たちを引き裂いて欲しいって願っちゃうよ。


思い出せばきりがないけど、あの時も、あの日も、あの時だって…。

いつだって…、信浩は私のことが好き、なんじゃないかって。

何度も勘違いしちゃったよ。…バカだよね?そんなこと、あるわけないのに。


信浩には彼女がいたのに。

私には彼氏がいたのに。


相手が好きじゃなくても、好きだって言えるのに。

相手が好きじゃなくても、好きだって思えるのに。


本当に好きな人には好きだって言えない。

本当に好きなのに気持ちを押し殺してる。


成人を迎えて大人になれば、笑って話せるかなって思ってたのに…。

『ずっと好きだったんだよね』

頭の中のシミュレーションでは上手くいくのに、実践となれば難しすぎる。


いつになったら、言えるのかな?いつまでも、言えない…。
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