切なさに似て…
来た道を再び辿る車の中は、連れて来られた時みたいな沈黙ではなく、弾むトークに自然に笑える。


「帰ったら洗濯だな?」

「じゃ、信浩がご飯係だね?」

私は閃いたと両手をバチンッと合わせる。


「はぁ?何で俺が!?」

素っ頓狂な声を張り上げた信浩は、嫌そうな顔をした。


「私、洗濯で忙しいから」

ふふんっ。と、私はわざと言葉にし嫌味たらしく言う。

「あんなもん、ボタン一つじゃねーかよっ」

納得いかねーっ!と、作った拳でハンドルを叩く。


「洗濯は自動でも、干すのは手動なんですっ」

「何が手動だっ」

得意になった私に、そう言って。

「けっ」

「ふざけんなっ」

などと、罵声を浴びせるから。


「んじゃ、信浩が干す?」

「…干さねーよ」

眉を歪ませたまま、諦めたのかそう呟いた。


「でしょ?はいっ、決ーまりっ!私、信浩のチャーハンが食べたい!」

私はにんまりしながら、もう一度手の平を叩き合わせ、パンッと音を立てた。
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