切なさに似て…
嫌味ったらしく、ペロッとパンツを見せつけた。


「わかるよ。ってか…。パンツ、パンツって何回も言わなくてもいいし、見せなくていいし!」

「見ろ、パンツだろっ!」

「わかったって!」

「…まさか、恥ずかしいとか?」

そう言われ、串を持った手が止まる。


「まさか!今更、そんなパンツ見せられて、恥じらうわけないじゃん」

否定するつもりで、串を左右に振って見せた。

恥ずかしいわけない、干しっぱなしにされたパンツは幾度となく見せつけられている。


「だろーな」

信浩は最後の1枚を干し終え、置いて来いよ。と、私の前に空になったカゴを置いた。


「自分で行きなよ、立ってるついでじゃない」

「俺は、誰かさんのカシオレ作らないといけないから」

「はいはい、わかりましたっ」

ムカつくっ!と、捨て台詞を吐き、浴室の入り口横にある洗濯機の上に篭を置く。


大股で7歩くらいの距離をドスドスと足音を立て、テーブルの前に座り直した。

「ほら」

「はぁーい」

新たに注いでくれたカシスオレンジを受け取って、一口含む。


信浩の作ってくれるノンアルコールのカシスシロップとオレンジジュースの割合は、絶妙なバランスで。

この味が、舌に染み付いている。
< 178 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop