切なさに似て…
「そんなに話すようなことないんだよね。性格は違うし、育った環境も違うしさ」

私の話しを聞きながら信浩は、箱から1本タバコを抜き取るとジッポをカチンと鳴らし、火を点す。


「んじゃ、何で、んなもんに登録して友達なんて作ったんだよ」

サラっと投げかけられ、尤もだと頷いてしまう。


「うーん…。若気の至りかな」

天井を見上げ少し考えたあと、そう言うと。


「ぶっはぁっ」

笑いを吹き出し、おばさんかお前はっ!と、突っ込まれた。


面白半分で参加してみたと説明していた信浩の前で、本当のことを言えるわけがない。


まさか、淋しかっただなんて。

誰でもいいから相手になって欲しかっただなんて、言えるわけがない。


「かったるいっていうか…。お節介っていうか」

そう溜め息を漏らすと、信浩は方眉をピクリと動き私を見上げた。


「お節介?」

わけがわからないといった表情を浮かべる。


「うん。彼氏いないなら紹介してあげるって。自分の彼氏の友達だか、彼氏が言うんだから間違いなくいい人だからって」

世話焼きたいんじゃない?と、愛想なく答え、両足を交互に揺らす。


「へぇー…」

信浩は意味ありげに口許を綻ばせ、タバコを口に挟み吸い込んだ煙を吐き出し。

それから、「で?」と、聞いてくる。
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