切なさに似て…
「私だけに当てられたわけじゃなかったんだ…。どうせなら、一緒に連れてってくれれば良かったのに。死んじゃえば楽になれるって、思ったりもした。
でも、できなかった…。25歳になるまでは…、生きていたいって。変な話だよねー、そんなさ…。冗談混じりに交わした約束なんて、所詮冗談でしかないのに。それだけはまともに信じちゃってるの。

…全ては気持ちを紛らすためだったんだよね。佐竹さんも一弥もみんな…。
ごめんね、私のエゴで。一弥を取られたとかどうでもよくて、フラれてホッとしたんだよね。

傷つけちゃってたから、白崎さんと付き合ったの聞いて…、本当に良かったって。私が言うことじゃないけど…、一弥の愛がずっとは続かなかったのは、私が原因なのに。
人のせいにして…、気持ちの問題なのにさ。自分の本心と向き合うのが嫌だっただけなんだよね」

だから、信浩…。出てったんだろうな…。

そう言葉を付け加え、閉じた口からは溜め息が漏れた。
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