切なさに似て…
吐いた溜め息は真っ白な小さい雲を描き、夜の街に紛れていった。

同窓会って、そんなつもりで電話したんじゃないのに…。10時って…、あと30分しかないじゃないか。


決死の覚悟も虚しく、私は鉄の塊へと乗り込みいつも降りる駅をやり過ごす。

空席には座らず、すぐに降りられるよう扉近くの手摺りにつかまる。


信浩の居所教えてやっから。っていうことは、治は少なからず知っているってことだ。


そろそろ連絡来るかと思ってた。か…。ほんと…、ムカつく。


どうせジタバタするならもっと早く、行動に移せばよかったのかな。

“そろそろ”なんて言われて…、見破られていたみたいで。ムカついた。

同時に、今頃焦って慌てふためく私も。…ムカつく。


そうは言っても、昔のクラスメイトなら信浩の行き先を知っているかも…。

足りない頭を振り絞り、そう思い浮かんだのはついさっきなんだから、仕方がない。


白崎さんの、『あたし、こんなんだから友達いなくて』という言葉に。私も…、いない…。と、同感した時。

私にはいないけれど、信浩にはいるんだっけ。と…。気づくのが遅くれたのだ。


かき集めた自由より、信浩がいない孤独の方が私には堪え難い苦痛なんだよ…。
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