切なさに似て…
生憎、私はちっとも寒くなんてなかったけれど、治も麻矢も見るからに寒そうに上着の袖に手を隠していた。


久々に対面した高校時代の悪友に、私はその後ろをついて行くしかないわけで。都合がいいのは、他の同級生たちがいないことだけだった。

もちろん、私の求める人物は同窓会になんて来ていないってことは、治が言った『居所教えてやっから』という台詞でわかっていた。


「柚、あんたねー。会いたくても全然連絡取れないんだから。ほーんと、いい加減にしなよ」

そう眉を吊り上げ、これでも、ほんとに高校ん時は一番の仲良しだったのかねー?と、麻矢は私の手を握る。


「ま、柚が元気そうなのは信浩からは聞いてたから、そんな心配はしちゃいなかったけどな」

治は後ろを歩く私たちに顔を向け、気にしてないと、上げた左の手の平をヒラヒラ見せた。


昔に戻ったかのように見えた2人の笑い顔。


でも、昔とは全くと言っていいほど可変していた。


麻矢に握られた右手に、ひんやりと冷たい金属が触る。

治の左手の薬指に、チカッと純白に輝く金属。
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