切なさに似て…
グラスを空にした治は同じ物を頼み、口を開け弧を作る。

「幹事は俺じゃないけど、同窓会行くのかで電話した時、あいつ。転勤決まったから行けないって言ってたんだ。
口止めされた手前、言いにくいんだが。柚にはずっと言おうとしてたらしくさ、結局言えなかったんだと」

「信浩が柚を好きだったのは、わたしら知ってたし。知らなかったのはあんただけだったんだけどさ」

ちらっと麻矢は眉を寄せ私の顔に視線を集めた。


要約すると、私だけ蚊帳の外だったってわけだ。

改めて告げられると、胸の辺りにズンッと何かが重くのしかかる。


「どうせ…、柚もそうだろ?」

何が?と、口の動きだけで空回りした私の言葉に、重なった治の台詞。


「またまた、わかってるだろ。柚もあいつのこと、実は好きだろ?」

紡がれた言葉にハッと顔を上げれば、治も麻矢も私から目線を反らしていて。


「言われなくてもわかるから」

ほぼ同時に投げ付けられた2人のハモった一言に、私の目は大きく開いた。


「じゃなきゃ、とにかく来いって言ったって、お前は来ないだろ」

しかも、高校ん頃からだろ。なんて決めつけているかのように言いのける。
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