切なさに似て…

その薄まった中身を半分ほど飲み干した辺りで、本来のカシスオレンジの甘く酸っぱい味を取り戻す。


「同窓会…。俺が行かねーって言えば、あいつも行かねーから。許可も取らないで欠席って勝手に断ったけど、良かったのか…」

ぼそぼそと独り言のような治の台詞に、何のことかわからず私は怪訝そうにその横顔を覗き見る。

すると、治も怪訝そうな表情で私を少し高い位置から目線を下ろす。


「何？」

と、治は眉間に皺を寄せた。


いや…、何？じゃないし。それは私の台詞なんだけど。


私の眉間に出来た皺も深くなった。そんな私を交わして治の口は上下に動き続ける。

「ジッポはあいつタバコ吸わないからしょーがねーけど…。他は見向きもしねー」

「…は？ねぇ、さっきから何言ってんの？」

治は悠長にジントニックを口に含み、手首を使ってタンブラーを回す。カランカランと、グラスと氷がぶつかり合う。


私は痺れを切らし、話しの主旨の意味を問い質そうと口を開けた時。