切なさに似て…
偽り続けて来た私の想いを、近くで見てくれていたからこそ、教えてくれた。

治にも麻矢にも家庭があるというのに、夜遅くまでわざわざ私に付き合ってくれて。

本来なら感謝しなければいけないところだ。


けれどね…。


私には帰る場所がない。

信浩がいないのに、あのマンションに向かう意味、ない気がして。

主のいない部屋は、電気をつけようがストーブをつけようが。

明るくもなければ、暖かくもなくて、ただ切ないだけなんだよ…。


知りたかったから電話したし、教えて欲しいから来たし。

信浩に会いたいって思った。出来ることなら今すぐにも。

嘘じゃないって確かめたい。私も好きだって事伝えたい。

それって、今更じゃないの?


“今までありがとな”って。もう会えないみたいじゃん。

信浩はそれでいいんだよね?…そうしたら、どうなるの?


何でもなかったかのように。信浩のこと忘れると思う…?
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