切なさに似て…
水溜まりができていようと、足元に水しぶきがかかろうと。気にも留めない私達3人の足音が重なる。

2つの背中を捉え、その容姿を確認する。

無造作に伸ばされた長いストレートヘアに、寒いというのにコートも羽織らず。

制服のブレザーは夜だから黒っぽく見えるが、ビルの明かりで浮き彫りになる濃紺にタータンチェックのスカート。


麻矢は指差して、「わたしらが毎日着てた制服じゃない?」と、小声で訴える。

「今年入学だから…」

私の言葉に、治は眉を寄せる。

「…3月だから入学式まだだろ?」

小首を傾げ、「何でもいいから声かけてみようぜ」そう面倒臭そうに言い放つ。


そして、制服を纏ったレナであろうその背後を捉え、腕を後ろからがっちり捕まえた。


「…えっ?」

突然の出来事にびっくりしたのか、驚き振り向いた制服姿の女の子は目を丸くさせ私達を凝視する。それは当然だ。


女の子はやはりレナで、その腕を取られた男の隣に私がいるんだから。

驚くなと言うほうが無理な話しだ。


治は私を直視し、“間違いないないか?”と言っているのか、口をぱくぱく動かす。

それに対し、私は深く首を上下に振り下ろす。
< 273 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop