切なさに似て…
「なぁ、柚果?同窓会行く?」

突如、暗闇の中から振り下ろされた言葉に私は瞼を開けた。

「へ?同窓会…?」

初耳だとでも言っているかのような、私の間の抜けた声。

「今月終わりにやるんだと、やっぱ聞いてなかったか」

やっぱりも何も、連絡来なければ聞きようがないんだよね。


「へぇ…。行かなーい」

…面倒臭いし。


「そう言うと思って断っといたから。幹事がお前と連絡取れないって騒いでたから、仕事でちょいちょい会うから聞いといてやるって言ったんだけど。まぁ、聞くまでもないなと思ったから」

「ナイスフォロー。毎年参加しないからね、私は。信浩も不参加?」

「あぁ。んな毎年やらんくても、10年後とかでよくねーか?」

「言えてる。ははっ」

そう答えた私は、おかしそうに笑いを零した。

同窓会って言葉に、懐かしい映像が瞼の裏に映り、いつも一緒にいた友達の名前を口に出した。

「あ、ねぇ…?治と麻矢は元気なの?」

「あぁ、それぞれ結婚すんだと。治はデキ婚、麻矢は職場結婚だとよ」

「ふぅーん…、そっか」


あれだけ毎日、私と信浩の他に治政(ハルマサ)と麻矢(マヤ)の4人で過ごしていたのに、卒業と同時に連絡を取らなくなってしまった。


私も信浩も、こうして布団を被った闇の状態の時に、一番会話を交わすことが多い。

思ったことが顔に出てしまう私としては、非常に助かることだった。


そうして、どちらからともなく立てる寝息を夢の間で聞きながら。

私の果てしない長い一日は終わりを遂げる。
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