切なさに似て…
全身痺れるくらいの長い口づけに、意識が離れていく感覚を覚える。

長いようで短く重なった唇が離れ、目と目が合うと信浩のはにかんだ笑顔が映し出された。


「…私も好き」

そう出た言葉に恥ずかしくなりながらも、顔を綻ばせる。緩んだ頬、下がる目尻が何だか妙に照れくさい。


信浩は私の耳の後ろへと、手を持っていき髪を梳く、そのまま後頭部へと運び、大きな手が頭を包む。

照れくさそうに微笑む信浩の耳がほんのり赤く染まっていた。

だからか、私の耳まで熱を帯びている。きっと赤くなっているに違いない。


目を閉じ、広い胸に預けた顔。静かにトクン、トクンとお互いの鼓動が交差して心地いい。

落ち着く心に安心感。


「ってか、ね?信浩?」

涙はすっかり枯れてしまった私は、がっしりと信浩の腕を掴み取る。


突然、声を発した私を不思議そうに見つめる。

「ん?」

「さっきの人!誰?」

意外にも落ち着き過ぎて、危うく、うやむやになりそうだった事柄だ。

崩れた体を起こし、姿勢を正すと信浩の顔を覗きこむ。


「あー、あ…。あれね」

顔と顔の距離が近いとか、そんなものお構いなしに詰め寄られたからか、信浩は目線を泳がせ少したじろうと、私の顔を真っすぐ見つめ直す。
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