切なさに似て…
次第に開かれていく視界には、やはりニヤついた顔が目の前にあって、私はその顔をきつく睨み据える。

そんなこと気にも止めないといった感じで、蕩けるくらいのキスの嵐。


なんとか突き放し、私は口を動かした。

「…信浩こそ、そんな甘い声で、そういう顔して、他の子を見下ろしてたわけ?」

「何、さっきのお返し?」

やっぱ、ムカつくと動かした唇は、私の唇を吸い上げたあと、這いずるように耳、首筋と移動していった。


私の意識がまた連れ出された時、服の隙間から侵入してくる信浩の手。

「っ…。ちょっ、待って…っ」

再度制止させるも声にならない。


「何だよ?」

怪訝そうな表情を浮かべた信浩の顔が、アップに映し出される。


「み、魅力ないって言ってた!」

「はぁ?いつ?」

私が思い切り手を跳ね退けたものだから、信浩は眉間に皺を寄せ不愉快そうな顔をした。


「…いつか忘れたけど、いつも。発情しねぇって言った!何処が魅力的なんだよって言ってた!」

「…んなの、朝から発情するかよっ。しかもスウェットで寝起きの女に変な気起こすわけねーだろ」

そう吐き捨てられて、私の目尻が吊り上がる。


「何それ?寝起きでスウェットだからって、好きな子だったら普通じゃないの?」

怒るポイントは何か間違っていると思いつつ、私は心外だ、とムキになって反論する。
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