切なさに似て…
私にも彼氏がいたように、信浩にも彼女がいた。
私が彼氏と別れると、信浩も別れる。
私に彼氏が出来ると、信浩にも彼女が出来る。
『あんたたちまた別れたの?いつも、いつも被りすぎだから!』
『裏取引でもしてんじゃねーの?』
『あんたら似た者同士なんだねーっ』
仲が良かった麻矢と治はそんな私たちを見て、よく馬鹿にしたように笑いこけていた。
“似た者同士”そう言われるのが密かに嬉しかった。
『お前ら、めんどくせーから付き合っちゃえよ!』
その言葉が嬉しいような恥ずかしいような、くすぐったくて。
ちらっと信浩を見ると、目が合った。
『俺と柚果が!?バーカッ、んなこと、あるわけねーし。な?』
そう笑い飛ばして私を見下ろした。
私は、頷くしか出来なかった。
…あるがわけない。
…そんなわけない。
―それが高校3年の夏だった。
自分の気持ちに蓋をしたのはこれが最初じゃない。
高校1年の、あの冬からずっと。
蓋に降り積もった雪は重たくて、1人じゃ開けられない。
*****
私が彼氏と別れると、信浩も別れる。
私に彼氏が出来ると、信浩にも彼女が出来る。
『あんたたちまた別れたの?いつも、いつも被りすぎだから!』
『裏取引でもしてんじゃねーの?』
『あんたら似た者同士なんだねーっ』
仲が良かった麻矢と治はそんな私たちを見て、よく馬鹿にしたように笑いこけていた。
“似た者同士”そう言われるのが密かに嬉しかった。
『お前ら、めんどくせーから付き合っちゃえよ!』
その言葉が嬉しいような恥ずかしいような、くすぐったくて。
ちらっと信浩を見ると、目が合った。
『俺と柚果が!?バーカッ、んなこと、あるわけねーし。な?』
そう笑い飛ばして私を見下ろした。
私は、頷くしか出来なかった。
…あるがわけない。
…そんなわけない。
―それが高校3年の夏だった。
自分の気持ちに蓋をしたのはこれが最初じゃない。
高校1年の、あの冬からずっと。
蓋に降り積もった雪は重たくて、1人じゃ開けられない。
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