勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
私の発言に三成は言葉ではなく杯を受け取った手を掴んで静止し、紅葉さんは思いっきり私を睨みつけていた。
だけどそんなの関係ない。
三成の手ごと私は杯を自分の口元に運んだ。
「うた様!」
けれど私の行動は紅葉さんの言葉によって止められた。
一瞬にして部屋に緊迫した空気が流れた。
「なりません。」
強く強く言葉を紡ぐ紅葉さんに私の手は震えた。
その手をぎゅっと握る三成。
「そなたが飲む理由はない。」
杯を持つ私の手と一緒に自分の口元に移動させて、そのまま飲み干してしまった。
「仲がよろしいこと。」
時が止まったような部屋に響いたのは朱理さんの声で、それまでずっと三成の側に黙って控えていた左近さんも、
「いつものことですが本当に仲睦まじいお二人にはあてられますな。」
扇子で扇ぎながら言葉を落とした。