勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
勢いよく飛び込みすぎた私を三成は支えきれず床の上に2人一緒に倒れ込んでしまった。
仰向けの三成の体の上に私の体が重なり、私が三成を押し倒したような状態で、
「ごめんなさい!」
慌てて体を放そうとする私の背中に三成の腕が周り抱き寄せられた。
「あの…重いから…」
ジタバタしながら何とか起きあがろうとする私を更にぎゅっと抱き寄せる三成。
「じっとしてろ!」
「だけど、重いから…」
「重くなどない。」
「でも…」
「紫衣は俺だけの紫衣なのであろう?」
「え?」
「紫衣は誰の妻なのだ?」
「はい?」
「お前は俺の妻ではないのか?」
甘い甘い三成はどこへやら…
なんだか急に不機嫌な三成に戸惑い、会話もうまく噛み合ってない?
「紫衣は誰の妻かと聞いているのだが?」
低い声で再度問いかけられ、
「私は三成様の妻です!……よね?」
言い切りたいのに少し自信のない私は問いかけてしまった。