平安物語=短編集=【完】



御子に恵まれない寂しさは辛いものでしたが、東宮にお会いすることができたり、帝が中宮として大切に扱ってくださったりして、穏やかな年月が流れました。

その間に父太政大臣が亡くなり世間は騒然となりましたが、我が弟がその翌年に内大臣、その数年後には左大臣となり、我が一族の繁栄を保つことができました。

そして翌年に東宮の御元服を控えたころ、弟が私を訪ねて来ました。



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