平安物語=短編集=【完】



今宵もいらっしゃれば正式に結婚だからと、家中が支度に追われています。

私と中将様とが未だ清い仲だと知っているのは、私を含めた例の四人だけです。

他の殿方からの取り次ぎをせがまれていた女房なんかは、いまいち身が入らないようでいます。


義母上もおいでになり、

「私が気付きませんでした所でこんなおめでたい事があったと知りまして、本当に嬉しゅうございますわ。

姫も、世間の女の幸せを掴む気になれましたのね。

それにしてもあの中将様とは、お目が高いことです。」

と、ほくほくに微笑んでいらっしゃいました。


昨夜も頑なに体を許さず、あげくの果てには寝始めた女のところへなど、果たしておいでになるのだろうかと思われますが、予想以上の華やぎぶりに誰にも話せずにいました。



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