平安物語=短編集=【完】



「おいたわしい姫君。

私なら、こんな目にお遭わせせず大切にさせて頂くのに。」


――何を言っているの…

この人は関係ないのに。


「一言も返してくださらないのですね。

私の事がお嫌いですか?

もう何年もの間、誠実にお世話させて頂いてきた私の本心は、さすがにお気付きでしょう?」

言わんとしている事が分かって、硬直しました。

少将はもう、私が隠れている几帳のすぐ前まで来ています。


「姫君…」



< 195 / 757 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop