平安物語=短編集=【完】



部屋の外からかけられた声に、少将は忌々しそうに手を離し几帳を戻しました。

そして立ち上がって「姫君は、御気分が優れないようです。」と言いながら立ち去りました。


――何という事なの……


あまりの出来事に、本当に気分が悪くなってきて御帳台に逃げ込みました。

すると、まだ微かに残っていた中将様の移り香が香って、恋しいやら恨めしいやらで涙を誘います。


――今、あなたはどこにいらっしゃるの?

こんな事なら、やはり出家してしまえば良かった…っ



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