平安物語=短編集=【完】
それを聞いた途端、安心して泣き出しました。
中将様は、さらに強く抱き締めてくださいます。
もっと、もっと近づきたいと思いました。
もう、衣服すらも邪魔に感じるくらい、もっともっと中将様に寄り添いたい…。
ふと目を上げると、中将様は熱のこもった瞳で私を見つめていました。
「中将様、私……あなた様が好きです……
気付いたのです……私、あなた様のこと…」
それから先の言葉は、中将様の唇に消されました。
「私も、どうしようもないくらいにあなたを愛しています…
あなたが欲しい…」
そのまま抱き上げられて、御帳台に入りました。