平安物語=短編集=【完】
御息所は宮家出身のため、尚仁の外戚は政治を執る立場になく後見が極めて弱い。
御息所を中宮にすれば、后の子という確かな立場はできる。
しかし…今のこの世の中、立場や血筋だけで生き残ることは難しい。
極端な話、皇族の血を引きながら、臣下の者の召使いにまで成り下がる人もいるのだ。
もし私が早くに死んだら、太政大臣が、自分を外戚としない尚仁皇太子を廃して、私の異母弟あたりを擁立するかもしれない。
ならば、藤壺を中宮として藤壺に協力を求めるか…
しかしこれで藤壺に子が生まれるようなことがあれば、今度は、后の子ということでその子を擁立し出すかもしれない。
あの切れ者の太政大臣、及び藤壺の弟の大納言と来れば、本気になれば出来ないことは無いのではないかとさえ思われる。
一体、どちらを中宮に据える方が尚仁のためになるのか……