平安物語=短編集=【完】
その年の宴の上座では、私の左手に中宮、反対側に尚仁が座った。
尚仁が、中宮を見て可愛らしい頬を赤らめていたことは、中宮は知らない。
しかし尚仁の側にいた御息所は、きつく尚仁を叱りつけていた。
その日の夜は御息所を召したが、あまりの不機嫌さに私も疲弊してしまった。
中宮の、御息所など気にもとめない態度が非常に気に入らなかったようだ。
自分の立后にも無関心なんだからと思ったが、そんなことを御息所に教えたらどんなに悔しく思ってうるさいだろうかと思い、黙っていた。