平安物語=短編集=【完】
鬼の目にも涙…
あまりのことに唖然としていると、
「御息所様、先ほどみまかられたとのことでございます!」
遣いがやって来て、そう告げた。
確認の遣いを出すがやはり事実で、世間にも漏れ伝わって騒然となった。
私は尚仁を呼んで抱きしめ、静かに母の死を伝えると、いつも大人しい尚仁が「嘘だ!」と泣いて暴れた。
それでも放さず、私も涙を流しながら言い聞かせると、私にしがみついて大泣きしてしまった。