平安物語=短編集=【完】
「小侍従。」
翌朝、いつも通りやって来た小侍従に声をかけました。
「私、昨晩あなたの言ったことをじっくり考えてみました。
あなたの言うとおり、もっと前向きなる方が良いようですね。
ありがとう。」
「いいえ、そんな…
私も昨晩考えまして、何と失礼な物言いだったかと反省いたしました。」
畏まって座っているのでにっこりと微笑みかけると、ほっとしたように少し微笑んでくれました。
「やはり御方様は、微笑んでいらっしゃる方が良うございますよ。」
と言うので、ついフフッと笑って
「ええ、笑っているようにいたしましょう。」
と答えました。