平安物語=短編集=【完】



私の気持ちが明るくなると、自然と周りの女房も明るくなります。

私も女房達に混じってお話をしたり、子供たちの教育に手を貸したり、北のお方とお手軽のやり取りをしたり―…

毎日がそれなりに楽しくて、一日中大臣を待って鬱々と塞いでいるようなことは無くなりました。


いっそのこと、女房に身を落としてしまってこの人達と仲間としてやっていくのも、楽しいかもしれない。

あんなに嫌がっていたのに、ふとそんなことを考えることすらありました。


それか、髪を切り落として尼になってしまうか…


しかしそういう考えは、弟の立場まで思い当たったところで儚く消え失せるのでした。

大臣も、私が尼になったところで動揺もなさらず、切に弟をお恨みになることもないでしょう。

それでも、なんと無礼なと思われてしまえば、全て事情を知っている弟を疎ましくもお思いになるだろうと思われるのです。

弟も今は一人前の男ではありますが、当代一の権勢を誇る左大臣様に睨まれては、やってはいけないでしょう。



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