平安物語=短編集=【完】
そうして更に二カ月が経った、卯月のある日。
いつものように部屋の奥で女房達と他愛ない話をしていると、外の方にいた女房達が、さわさわと衣擦れの音を立てながら動き始めました。
「殿が、お見えになるようです。」
そう告げられて、私も急いで更に奥へと引っ込みます。
「あまり慌てて、見苦しいことにならないようにね。」
そう言い残して、御几帳を引き寄せ、軽く額髪を繕ったりしました。
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