平安物語=短編集=【完】
そうして月日が流れ――
三歳になった姫は、袴着の儀式を迎えました。
実家で父上の監督のもと、それはもう盛大に。
「おかあさまっ」
慣れない袴のおかげで、おてんばな姫もそう走れなくなって、よたよたと私のもとにいらっしゃいます。
すぐに癇癪を起こして脱ぎ捨てようとするので、誰もが気をつけて見ておりました。
「姫、そんな風にお召し物を脱いじゃだめなんですよ。」
一歳お年上の三の宮は、昨年袴着を済まされたので慣れたものでいらっしゃいます。
それを聞いて姉上は、
「まあ、三の宮だって昨年はこれどころじゃなかったでしょうに。」
とクスクスお笑いになりました。