平安物語=短編集=【完】



いよいよ麗景殿様が御陣痛となると、弘徽殿様から矢継ぎ早にお手紙が届けられました。

父上が麗景殿様と親しくしていらっしゃるから、私の所にはより多くの情報があると見込んでいらっしゃるのでしょう。

その御筆跡はいつもより乱れて、お手紙は特に趣向なども凝らされておらず簡素なものです。

内容も挨拶や歌などは省かれており、ただただ麗景殿様の御容態を問うばかりでした。


どうして、本来憎いはずの麗景殿様をこんなにまで案じられるのでしょう。

初めから見込みのなかった私より、ずっと邪魔に思われて然るべきなのに。

どういう風にお育ちになればこうもなるのかと、姫の養育の為にもお尋ねしたいくらいでした。



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