平安物語=短編集=【完】
夕方頃に宮様がいらして、父宮の接待をお受けになりました。
お車からお降りになった時に見えた宮様は、いつもより華やかでお美しいお召し物でいらっしゃいました。
こちらを見て微かに微笑まれたのを拝しまして、ああ、お心変わりは無かったのだと安堵致しました。
夜になると管弦の音や笑い声なども聴こえてきて、とても幸せそうです。
こちらの女房も、とても穏やかに微笑んでいます。
ただ右近だけが、どこか引き締まった表情で御簾の側から離れずに居ました。
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