平安物語=短編集=【完】



夕方頃に宮様がいらして、父宮の接待をお受けになりました。

お車からお降りになった時に見えた宮様は、いつもより華やかでお美しいお召し物でいらっしゃいました。

こちらを見て微かに微笑まれたのを拝しまして、ああ、お心変わりは無かったのだと安堵致しました。


夜になると管弦の音や笑い声なども聴こえてきて、とても幸せそうです。

こちらの女房も、とても穏やかに微笑んでいます。

ただ右近だけが、どこか引き締まった表情で御簾の側から離れずに居ました。



***
< 609 / 757 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop