人形と歯車
「久家だな」



2‐Aのやつか?と佐藤が聞くと須藤は校門から目を離さずにうなずいた。



「あいつこんな時間になにやってんだ?」



「人のこといえたもんじゃないけどね」



中井が笑った。



「おりてみよう。須藤は下に。ぼくと中井はここに残って様子を見ているよ。携帯は常につなげておいてほしい。なにか動きがあれば言うから」



「まかせろ!イーグル」



須藤がグッと親指を立てた。



「わたしも行きたい」


甘えるように中井が言った。



「マンドリラはイーグルと待機だ」



「…やっぱいい。」



「よし作戦開始だ。ジャガー発進」



佐藤と中井はジャガーの背中をしずかに見送った。
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