花火
翌朝は十二時手前まで眠り、午後二時頃に家を出た。八月も終わりに近づいているというに、残暑は厳しく、駅に辿り着く間もなく、背中には汗が伝っていた。対照的に冷房の効き過ぎた電車に乗り込み、渋谷の街に向かった。
電車から一歩足を踏み出すと、容赦ないコンクリート熱と、何万と言う人々の熱気に襲われた。普段はこの人波にうまく馴染めるはずなのに、今日はうまく馴染めずにいた。体感温度はみな同じはずなのに、僕を取り巻く空気だけが、やけに冷えているようだった。
電車から一歩足を踏み出すと、容赦ないコンクリート熱と、何万と言う人々の熱気に襲われた。普段はこの人波にうまく馴染めるはずなのに、今日はうまく馴染めずにいた。体感温度はみな同じはずなのに、僕を取り巻く空気だけが、やけに冷えているようだった。