花火
翌週は、先週までの憂鬱さが嘘の様に、張り切って過ごすことが出来た。日に日に近づくその日が、待ち遠しくて仕方なかった。二十歳を過ぎてからは、喜びよりも、また歳を取るのか、そう思う気持の方が強くなったが、今年は十代の頃の様に、心弾む思いだった。日曜日には、春香から東京に帰ってきたという連絡もあった。何もかもが、その日に向かいうまく進んで行った。そう、金曜日までは、全てが上手く行っていた。