花火
『今更嘘をつく気はないからハッキリ言うよ。誕生日の日に元彼女が訪ねてきた。先週の金曜日までは、このまま寄りを戻そうとも思ってた。でもそれは誤魔化すことで、逃げているだけだって分かったんだ。そのきっかけを作ったのは、春香からの一本の電話なんだよ。声を聞いた瞬間、このままじゃいけないと思った。だから平井のマンションに行った。そうしたら春香はいなくなっていて、ただ真実を知りたくて、唯一の可能性を探って袖ヶ浦にまで行った。あの時はこんなことになる何て想像もしなかったよ。全てを知って、どうすることも出来なくて、ずっと考えて、考えて、考えることが無意味だって分かった。考えてとる行動なんて、全て無意味だって。答えは分かっていたんだから。その答えに納得するために、考えていただけなんだって』
< 326 / 427 >

この作品をシェア

pagetop