花火
「安全引っ越しセンターの、伊藤と申します。後ろに立っているのが助手の高橋です。本日はよろしくお願いします」
その笑顔、その筋肉を見ていると、NHKの体操のお兄さんでもやっていたのではないか、と思った。それ程までに、洗練されたビジネススマイルだった。荷物の量を確かめると、早速ダンボールから外に運び出して行った。何か手伝おうかと思ったが、その手際の良さを見ていると、逆に邪魔になるのでは、と思い、所帯なく立ちすくんでいた。体操のお兄さんがその超人的な力を発揮したのは、ダンボールを運び終え、冷蔵庫や洗濯機などの、大型家電に取り掛かった時だ。バイト君に電子レンジなどを持たせると、自分は一人で冷蔵庫を持ち上げ、軽々と階段を下りていった。化物だ。
その笑顔、その筋肉を見ていると、NHKの体操のお兄さんでもやっていたのではないか、と思った。それ程までに、洗練されたビジネススマイルだった。荷物の量を確かめると、早速ダンボールから外に運び出して行った。何か手伝おうかと思ったが、その手際の良さを見ていると、逆に邪魔になるのでは、と思い、所帯なく立ちすくんでいた。体操のお兄さんがその超人的な力を発揮したのは、ダンボールを運び終え、冷蔵庫や洗濯機などの、大型家電に取り掛かった時だ。バイト君に電子レンジなどを持たせると、自分は一人で冷蔵庫を持ち上げ、軽々と階段を下りていった。化物だ。