花火
翌日、お昼手前に袖ヶ浦の駅に降り立つと、すでに駅前には迎えの車が待っていた。一つ礼をいい助手席に乗り込むと、車は静かに発進した。春香の熱は大分引き、今日は僕がやって来ることを待ち侘びていると言う。昨日の今日で再び訪れたことに対し、何度も礼を言われた。家に着き玄関を上がり居間に向かうと、春香は照れ臭そうな笑顔で迎えてくれた。
「たっくん、いらっしゃい」
化粧のお陰だろうか、昨日より顔色はよく見えた。だがこけた頬は、メイクの技術だけでは隠し切れないようだった。心に細く冷たい針の先が刺さった。
「たっくん、いらっしゃい」
化粧のお陰だろうか、昨日より顔色はよく見えた。だがこけた頬は、メイクの技術だけでは隠し切れないようだった。心に細く冷たい針の先が刺さった。