花火

パン、パン、乾いた銃声の様な音で目を覚ました。寝ぼけ眼の頭では、何が起こったのかを理解するまでに時間がかかった。どうやら試し花火が打ちあげられた様だ。ということは今は何時だ？空もほんのり薄暗くなっている、いったい何時間眠っていたのだ。恐る恐る時計に目をやると、すでに六時を回っていた。四時間は眠っていた様だ。よくもこの中で四時間も眠れたな、我ながら感心してしまう。
喉が渇いていた、全身にはジットリと汗をかいていた。灼熱の太陽を、遮る物もなく浴びていたのだ、体は干物の様に乾ききっていた。そうはいっても飲み物はクーラーボックスの中のビールしかない。よく冷えたそれを一本取り出すと、喉を心地よい刺激が流れていった。