神威異伝
……十夜が駆けつけた時、理緒は地面に座り込み、ただ呆然と焚き火の炎を見つめていた。
「理緒っ!!」
声を張り、十夜が名前を呼ぶと理緒が首を少しだけ動かし、視線を十夜に向けた。
「とお、や……?」
理緒の声に、力はない。
……その瞳は、どこか虚ろだった。
「と…おや、あたし―……」
ぽつりぽつりと呟く理緒の瞳からは、涙が溢れかけていた。
「理緒……っ」
十夜は手に持っていた火のついた木を、焚き火の中に放り投げ……
理緒の元に駆け寄ると、しゃがみ込み、理緒を抱きしめていた。
「……ごめん、理緒」