神威異伝
理緒は、ぽつりぽつりと呟き始めた。
「あたしの家が……燃えてる、の。あたし、それを…おじいちゃんに抱き上げられたまま、見てて……」
一度途切れた理緒の言葉を、十夜はただ何も言えないまま待った。
理緒が再び口を開く。
「中に、ね…お父さんとお母さんが、まだ居るのに…おじいちゃん、何もしないで…ずっと、家の前に立ってて――……」
そこまで言った瞬間、理緒は十夜の体に力なく倒れ込んだ。
「理緒っ!!?」
十夜が慌てて理緒を見ると、理緒は眠った様に瞼を閉じていた。
呼吸は、ちゃんとしている。
「……眠ったんだ。多分、明日になるまで理緒は起きないよ」
肩にからったままだった鹿と槍を下ろし、日向が呟いた。