神威異伝
「……とぉおぉやぁあっ!!」
――ビュンッ……ザクッ
理緒が声を張ると同時に、十夜の顔のすぐ横を、何かが風を切って通って行った。
……十夜の顔の横を通って行った理緒の短刀は、すぐ後ろの木に突き刺さっていた。
「……っ」
状況を理解した十夜は、どっと冷や汗をかいた。
そろそろと立ち上がり、十夜は今も短刀を構える理緒との距離を少し広げながら口を開く。
「り、理緒……っ!!待ってくれ。俺が悪かっ―……」
「問答無用!!」
ドスッ
「ぅわ!!」
顔を真っ赤にして、そう叫んだ理緒は再び十夜の側にあった木に短刀を投げつけた。