神威異伝
十夜の背丈よりも遥かに深いその川の水は、綺麗に澄みわたっている。
息が持つまで十夜は泳ぎ進み、もう限界だと思う頃に川から顔を出した。
「っ、はぁっ!!」
咳き込む様に息を吸い、呼吸を整える。
自分でもガキみたいな事してるなと自覚しつつも、十夜は息が持つまで泳ぎ、潜り……そして、咳き込む様に息を吸うのを繰り返した。
そんな行為を繰り返して何回目だろうか…息を思いっきり吸っていた十夜の視界に、何かがチラリと映った。
「なんだ……アレ」
荷物を置いて来た場所から、川上を目指す様に泳いだ十夜の視線が向けられているのは……川岸。
その何かを確認する為に、十夜は顔を川から出したまま両手と両足を器用に駆使して泳ぎ、その川岸に近づいて行く。
ある程度近づいた頃、十夜は川岸に居るのが何なのか、やっと分かった。
「……!!子供…っ?」