神威異伝
そして、青がかった黒髪の男の子の体は……傷だらけだった。
服も所々破れ、顔や手も切り傷や擦り傷の様な怪我でいっぱいである。
十夜が休む事なく、男の子に声をかけ続けていると――……
「…う………ぅ、うぅ……っ…」
男の子が微かにだが声を漏らし、身じろきをした。
とりあえず生きている……と確認できた十夜は、息を吐いた。
しかし、男の子は傷が痛むのか顔を歪めたまま目を開けない。
「このままじゃ危ねぇよな。……っと」
十夜は呟きつつ男の子を背にからい、荷物置いた川下の方へと走り出した。
だいぶ時間がたったから、日向達も居るだろう…と判断したからである。
途中で大丈夫だからな……などと声をかけつつ、十夜は出来るだけ、男の子に振動を与えない様にと用心しながら走った。