神威異伝
日向が男の子の手当てを終えてから、約一時間後。
「…………。」
理緒は目の前の光景に、呆然とするしかなかった。
「日向、おかわり!!」
「オレも!!」
「二人供、もう少し落ち着いて食べろ!!」
そう言いつつも、差し出された二つの茶碗を受け取る日向。
今、十夜達は川の近くに、今朝の様に火をおこして鍋を炊いている。
今回の鍋は、先に川へと向かった十夜の後を追いながら、日向が収穫しておいた山菜と茸の鍋。
「そんなに急いで食べなくても、鍋は逃げたりしないんだからさ……」
鍋を作った張本人は、鍋の中身を差し出された二つの茶碗によそっている。
それを、待ちきれないとばかりに見つめる男二人。
理緒はそれを、自分の茶碗に入っている山菜と茸の鍋を食べながら見ていた。