神威異伝
十夜が口を開く。
「腹減ってんだもんな、な?暁」
「うんっ!!」
十夜の隣に座る、ブカブカの服を着た男の子が元気よく返事をした。
……そう、この暁(あかつき)と呼ばれる男の子こそが先程十夜に発見され、日向の手当てを受けた男の子である。
……日向の手当てが終わり、少し時間がたった頃。
暁は目を覚ました。
起きたばかりで少し混乱していた暁に、十夜は自分が見たままの事と自分達の名前を言った。
助けて貰った礼を言い、暁も自分の名前を名乗った。
そこで、日向がなぜ怪我をしていたか……などと訳を聞こうとした時。
盛大に、暁の腹の虫が鳴いた。
大笑いする十夜を殴る理緒の姿を横目で見つつ、日向は昼飯を作る事にした。
……それで、今に至る。
互いに知るのは名前だけなのだが、早くも十夜と暁は打ち解けあっていた。
十夜はもちろんだが、暁も人懐っこい性格なのだろう。