神威異伝
その時、理緒がある事に気づいた。
「……暁のお父さん、心配してるんじゃないの?」
理緒の言葉に、日向の腕を組んで唸る。
「そうだな……半日は姿を見せてないんだし、暁を探してるかもしれないな」
「んじゃ、行くか」
立ち上がって服をパタパタ叩きながら、十夜が言った。
荷物をまとめ始めた十夜と理緒を見て、日向が暁の目の前に背を向けてしゃがんだ。
「ほら、乗るんだ。暁」
目を点にして、暁が口を開く。
「でも……」
「お前は足も怪我してるだろ?まだ、無理をさせる訳にはいかないさ」
「…ありがと!!日向にーちゃんっ」
日向に小さく頷き、暁はその背に乗った。
それを確認した日向は立ち上がり、十夜に声をかけた。
「すまない十夜、俺の荷物を―……」
「持ってるぜ、もう」
日向の荷物と自分の荷物を両肩にからい、十夜が応えた。