神威異伝



「……ったく、怪我した足で走って」


小さく溜め息を吐き、日向が十夜と理緒に声をかける。


「俺は暁と一緒に来た道を戻る…二人は滝の方に行って暁の父親に会うか、暁の首飾りを探してほしい」


十夜と理緒が無言で頷くと、日向も来た道を逆走して行った。

その背を見ていた理緒が、口を開く。


「行きましょう、十夜。このまま川沿いに行けば滝に着く筈だから」
「おぅ、先に暁の親父さんに会うか?」


十夜に聞かれ、理緒が少し唸ってから応えた。


「……そうね、そっちの方が良いかも」
「そしたら、暁の首飾りの特徴とかも聞いとこうぜ。……俺達は暁の首飾りがどんなのか、知らないんだからな」
「そういえばそうね…」


鋭い十夜の指摘に、理緒は頷いた。

二人は滝の近くにある筈の暁の家を探して歩き始めた……。

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