神威異伝




理緒が続ける。


「後、おじいちゃんの事も知ってるみたいだったわ。……おじいちゃんは、あいつらを知らないみたいだったけど」
「……理緒」


突然、十夜が歩くのを止めた。

理緒も足を止める。


「十夜?なによ、どうして止まるのよ」
「…………。」


文句を言う理緒の言葉に、十夜は応えない。

理緒の少し前を歩いていた十夜が、振り向く事もなく言った。


「もし……あいつらと戦う事になって、少しでも負けそうだと思ったら逃げろ。日向と一緒に」



――……一瞬、十夜の言葉が理緒には理解出来なかった。

十夜は更に続ける。


「お前も日向も、死んだら悲しむ人が……家族がいる」


理緒から、十夜の顔が見えない……だが理緒には十夜が悲しそうに微笑んでいる気がした。


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